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次世代エネルギーを事業の中核へ、覚悟を決めたトヨタの環境戦略(後編)電気自動車(3/3 ページ)

トヨタ自動車はエンジン車から燃料電池車などの次世代車への切り替えや、水素・再生可能エネルギーの積極的な利用など、意欲的な戦略目標を織り込んだ「トヨタ環境チャレンジ 2050」を発表した。後編では生産工程におけるCO2排出量の削減や、水素・再生可能エネルギーの活用に向けた取り組みを紹介する。

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工場に再生エネ設備を併設、2020年にはFCV生産で水素を活用

 次に再生可能エネルギーと水素の活用だ。まず再生可能エネルギーについて、トヨタは活用に向けた取り組みの第1弾として、2015年からブラジル工場で使用する電力を、太陽光発電や水力発電などの再生可能エネルギーによる電力購入に100%切り替えている。

 今後こうした再生可能エネルギーによる電力の購入に加え、トヨタグループの生産工場などの敷地内に再生可能エネルギー発電設備を導入していく。地域特性や経済性を考慮しつつ、発電した電力を生産に利用していく計画だ。日本国内では“先頭工場”としてまず2020年頃に愛知県田原市の田原工場に風力発電設備を導入する(図2)。


図3 再生可能エネルギーの活用も推進する(クリックで拡大)出典:トヨタ自動車

 水素についてはまず生産工場内での利用に注力し、水素を熱源として利用するための燃焼技術や、燃料電池開発のノウハウを活用した発電技術などの開発を推進する。こうしてさまざまな生産工程で水素を活用していく計画で、まず2020年頃をめどにFCVの生産ラインで導入実証を開始する(図4)。

 同時に水素そのものの製造および供給技術についても、トヨタグループ各社で取り組んでいく。将来的に再生可能エネルギーを利用したCO2フリーな水素製造技術が確立し、これを水素で走るFCVの生産ラインで利用できれば、製造から利用までのあらゆるフェーズで大幅に環境負荷を低減できる。


図4 2020年にはFCVの生産工程に水素を活用していく(クリックで拡大)出典:トヨタ自動車

 またトヨタは再生可能エネルギーや水素の他、愛知県豊田市の元町工場で、排熱の有効活用に向けた実証実験も進めている(関連記事)。この元町工場は同社のFCV「MIRAI」の製造工場でもある。トヨタはこうした複数の省エネルギー化に向けた取り組みを推進し、2050年にCO2ゼロを達成する計画だ。

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