次に走りだす燃料電池車は「レクサス」か、「技術的にはすぐ市場投入できる」:電気自動車(2/2 ページ)
「東京モーターショー2015」で、トヨタ自動車の高級車ブランドであるレクサスが燃料電池車のコンセプトカーを公開した。実際に市場投入するとは明言していないが、レクサスの水素社会の実現に向けた意志を感じるコンセプトカーとなっている。
市場投入にはインフラ整備が不可欠
LC-FCは「Lexus Future Fuel Cell」の略称で、2020年におけるレクサスのフラッグシップモデルをイメージしたコンセプトカーだ。なぜ高級車ブランドであるレクサスの次世代フラッグシップモデルにFCVを据えるのか。
ブース担当者は「レクサスは常に“最高”を追い求めるブランド。さまざまなパワートレインが選べる中で、走行しても水しか排出しない“究極のエコカー”であるFCVを選択するというのは当然考えられる」と語っている(図6)。
レクサスは2020年に必ずFCVを市場投入すると明言しているわけではない。しかし同担当者は「トヨタの『MIRAI』も既に発売されている。クルマの技術的な側面だけでいえばすぐに市場投入することは可能だ」と述べている。
その一方で「しかしクルマというのは、クルマそのものの性能と、インフラ側の整備の両方が整ってはじめて機能する。もし実際にレクサスのFCVを市場投入するとすれば、その時期は水素ステーションなどのインフラ側の整備状況も影響するだろう」(同氏)としている。
コンセプトカーのLF-FCにはFCVとしての機能の他にも、自動運転技術やドライバーが手のジェスチャーでさまざまな車載機能を操作できる装置、シースルー太陽光発電パネルなど、先進技術も搭載。2020年を見据え、次世代のレクサスに求められるであろうさまざまな技術を形にした。
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