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ベルギー沖の北海海域に165MWの洋上風力発電所を建設:自然エネルギー
住友商事は、ベルギー沖45kmに165MWの洋上風力発電所を建設する。大型の3.3MWの風力タービンを50基設置する。
住友商事と欧州住友商事(本社=イギリス)は洋上風力発電事業開発運営会社のパークウィンド社(本社=ベルギー)などと洋上風力発電所を共同開発するノーベルウィンドプロジェクトを進めているが、このほどプロジェクトファイナンス組成を完了し、洋上風力発電所の建設を開始した(図1)。
住友商事はこの事業に2014年6月に参画し(39.02%の株式取得)、ベルギー沖45km(水深約21〜37m)の北海海域で共同開発を進めてきた。このほど約4億6千万ユーロ(約620億円)のノンリコースプロジェクトファイナンスを組成し、2017年末の完工を目指して工事を進める。風力タービンはデンマークMHIヴェスタ社から大型の3.3MW(メガワット)機を50基調達する。総事業費は約880億円。発電容量は165MWで事業期間は完工後20年間。発電された電力はベルギー在の電力会社との長期契約に基づき売電され、その電力量は約18.6万世帯分に相当する。
住友商事はこれまで日本国内をはじめ世界各地(米国、南アフリカなど)の発電事業に携わっており、洋上風力発電事業では2014年9月にベルギーで2案件(ヘルウィンド165MWおよびノースウィンド216MW)の事業に参画している。
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