エネルギーから雇用まで、バイオマスで産業活性に取り組む12の地域:自然エネルギー(2/2 ページ)
農林水産省と関係6府省は、地域のバイオマスの原料生産から収集・運搬、製造・利用までの経済性を確保したシステムを構築し、地域の特色を活用する地域として「バイオマス産業都市」を認定している。今回新たに12の地域が選定された。
山梨県 甲斐市
山梨県甲斐市(約7万4000人)はバイオマスの活用で森林資源の再生、農林業の活性化、新たな産業と雇用の創出、再生エネルギーの利用促進を図り、環境に優しく災害に強いまちづくりを構築する。
京都府 京丹後市
京都府 京丹後市(約5万6000人)は地域バイオマスの活用で生み出した地域エネルギーの地産地消により付加価値サービスの事業化などを行う。事業化プロジェクトとして取り組むのはバイオガス発電の拡充と地域新電力への電力供給、木質バイオマス利活用、下水汚泥などの資源化、バイオマスプラスチック化など。
京都府 南丹市
京都府南丹市(約3万4000人)は従来の大量生産、大量廃棄型のライフスタイルを見直し、環境負荷の低減に努める。また、美山里山の活性化プロジェクトなど地域交流軸を活性化する。
島根県 飯南町
島根県飯南町(約5000人)は「力強い農林業を次世代に継承する」を基本構想に掲げ、その実現に向けて農業基盤を推進する。町内バイオマスにこだわった飯南特別栽培米の生産を行い、飯南ブランド形成に取り組む。
岡山県 津山市
岡山県津山市(約10万7000人)は「産業振興と雇用の創出」「美しい自然と快適空間の掲載」の具体的な産業展開のため未利用間伐材の搬出・活用などの事業化プロジェクトを策定し、市におけるバイオマス活用の将来像の実現を目指す。
福岡県 宗像市
福岡県宗像市(約9万6000人)は「一般廃棄物厨芥類」「剪定枝・刈り草」および「下水汚泥、し尿汚泥など」の地域資源を活用し、消化ガス発電など4つのプロジェクトを事業化。市民との協働により「自主・自立のまちづくり」を推進し、都市としての魅力を高め、最終的には地域ブランドの確立を図る。
大分県 臼杵市
大分県臼杵市(約4万1000人)は「ほんまもん農産物」を中心とした有機農業、水源かん養機能を高めるための持続的な林業。臼杵湾でとれる「海のほんまもん」漁業を軸に、家庭・製造業と連携し地域内で循環型社会を構築していく。
宮崎県 小林市
宮崎県小林市(約4万8000人)は市と市民が共同して環境負荷の軽減と経済性を確保し、バイオマス活用による循環型社会の形成、災害に強いまちづくり、農畜産業、林業など総合的な産業振興の実現を目指す。
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