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リニアモーターカーに続く超電導の活用、鉄道総研の描く夢小寺信良のEnergy Future(1/6 ページ)

鉄道に関連する全ての技術を研究する鉄道総合技術研究所。2027年開業予定のリニアモーターカーも、同研究所から巣立とうとしている技術である。このリニアモーターカーで得た知見により、さらに幅広い領域への貢献が期待されているのがさまざまな「超電導」技術である。鉄道総合技術研究所の超電導技術について、小寺信良がお伝えする。

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 2015年9月、日本が誇る鉄道の最先端技術を応用した「超電導フライホイール蓄電システム」が実証実験に入った。山梨県米倉山で、メガソーラーの発電変動を吸収するための蓄電装置である(関連記事)(図1)。

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図1 山梨県で実証実験されている次世代フライホイール蓄電システム

 フライホイールとは、電力を使って円板型のフライホイールを回転させることにより、電気エネルギーを運動エネルギーに変換して貯蔵する設備で、技術的には1980年代から実用化されている。ただ、回転体を支えるための軸受が摩耗するため、定期的にメンテナンスしなければならない。そのメンテナンスコストや、定期的に停止しなければならないことから、あまり多くは使われていない技術である。

 ではなぜそれを今回実証実験することになったのか。それは「超電導技術」を使って巨大ホイールを浮かせることにより、従来型の軸受を不要にしたからだ。軸が接触していなければ、軸受の摩耗もない。フライホイールの課題となっていた定期的なメンテナンスが不要になり、埋もれかけていた技術がよみがえることになる。

 この超電導技術を提供したのが、東京都国分寺市にある、鉄道総合技術研究所である。次世代エネルギーの方向性を見極める本連載だが、今回は鉄道総合技術研究所の超電導技術を取り上げる。

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