メンテナンス性と設置自由度を向上、新型の設備用エアコンを2016年3月に発売:省エネ機器
三菱電機はメンテナンス性と室内機の小型化による設置自由度、搬入性の向上を実現した設備用パッケージエアコン「ファシレアDD(ディーディー)」標準シリーズ9機種など、全16機種の新型空調機を2016年3月から発売する。
製造業では空調機に対するニーズが多様化しており、より省エネ性、汎用性、メンテナンス性の高い商品が求められている。こうした状況の中で三菱電機は、ダイレクトドライブ方式の採用によるメンテナンス性、室内機の小型化による設置自由度と搬入性の向上を実現した設備用パッケージエアコン「ファシレアDD(ディーディー)」標準シリーズ9機種を発表。吸気に室内の空気ではなく外気だけを取り入れて冷暖房するオールフレッシュシリーズ7機種と合わせて、全16機種を2016年3月から順次発売する(図1)。
新製品が採用するダイレクトドライブ方式は室内機のモーターとファンインバーターを直結制御する方式。従来のプーリー・ベルト駆動方式は静圧変更を実施する際にプーリーとベルトの交換作業が必要だった。ダイレクトドライブ方式を採用することでこの交換作業が不要となり、メンテナンス作業も容易となる。また、室内機に接続するダクト内部の送風抵抗値である静圧を変更する場合はリモコン操作が可能となり、静圧変更作業の容易化も実現した。
設置自由度と搬入性の向上は室内機の幅を従来機と比べて220ミリ小さい980ミリと小型化し設置面積を約18%削減したことで高めている。さらに室内機の高効率圧縮機の搭載と室内機の熱交換器の性能改善により運転効率を高め、2015年度省エネ基準値(APF2006)をクリアした。
オールフレッシュシリーズは、吸気の空気ではなく新鮮な外気だけを取り入れて冷暖房する。この特徴によりホコリ・粉じんなどの発生が比較的多い製造現場など、室内が汚れがちな環境下や機器の発熱が大きな場所での空調に適している。
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