COP21で「つながる水素社会」をアピールするホンダ:自然エネルギー
ホンダは現在、パリで行われているCOP21の関連行事である「LA GALERIE by WE」に参加し、水素を中心としたエネルギーを「つくる」「つかう」「つながる」社会を出展している。
気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)は、国際社会における2020年以降の新しい温暖化対策の枠組みへの合意を目指している。この会議の関連行事である「LA GALERIE by WE」(2015年12月2〜9日)は、世界各国が抱える気候変動課題の解決手段におけるCO2排出量の低減と省エネルギーを提案する展示会となっている。会議と同時期に開催される唯一の関連展示会で、併設される展示会の開催は今回が初めてという。
同社はモビリティの電動化や、水素を含めた再生可能エネルギーを活用したエネルギーマネジメント技術の開発を進めることにより、CO2の低減を目指している。こうした取り組みが国際社会の課題解決に役立つことを期待し今回関連行事へ参加した(図1)。
今回の展示では、温暖化による海水面の上昇が大きな問題となっているマーシャル諸島共和国で、同年10月から共和国政府と共同で開始した電気自動車(EV)充電関連技術の実証実験など、CO2低減や省エネルギーに向けた国内外での取り組みの事例を紹介することで、ホンダのグローバルな環境課題解決の提案をしている。
また、水素を中心とした「つくる」「つかう」「つながる」技術を搭載したさまざまな製品を出展。高圧水電解システム「Power Creator」を採用した独自のスマート水素ステーション(SHS)で再生可能エネルギーから水素を「つくる」、燃料電池自動車(FCV)でエネルギーを「つかう」、FCVやEVの電力を外部給電器「Power Exporter 9000」(市販予定モデル)およびV2H対応DC普通充電器「Honda Power Manager」でコミュニティーや家庭・施設に供給して「つながる」といった、同社ならではのスマートコミュニティーのかたちを紹介している(関連記事)。
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