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電力・ガス・電話のメガ競争が始まり、電気料金は確実に安くなる2016年の電力メガトレンド(1)(2/4 ページ)

いよいよ電力の小売事業が4月1日から全面的に自由になる。全国で7.5兆円にのぼる家庭の電力市場に向けて、ガス会社を筆頭に有力企業が続々と乗り出してくる。携帯電話やインターネットサービスと組み合わせたセット割引も始まり、電力会社と新規参入事業者の競争が各地域へ広がっていく。

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携帯電話の競争戦略に電力やガス

 代表的な例が携帯電話会社である。いまや携帯電話を使っていない人を見つけるのがむずかしいほどに広く普及した。割引制度を通じて家族が同じ携帯電話会社を利用する傾向も強まっている。携帯電話会社が電力やガスを含めたセット割引を始めれば、契約の変更を検討する人は少なくないはずだ。利用額に応じたポイントプログラムも電力やガスの購入先を選ぶうえで判断材料の1つに入ってくる(図3)。


図3 小売全面自由化で可能になる割引プランや関連サービス(画像をクリックすると拡大)。出典:資源エネルギー庁

 すでに携帯電話会社の中ではKDDIが小売電気事業者の事前登録を済ませた。4月から家庭を対象に「auでんき」の販売を全国各地で展開する予定だ(図4)。携帯電話やインターネットサービスと組み合わせたセット割引価格で電力を販売する。従来の電力会社が発行する検針票をauの店舗に持参すれば、契約の変更を申し込むことができる。ただし12月末の時点では料金プランや電力の調達先は発表していない。


図4 「auでんき」のサービス提供イメージ。出典:KDDI

 携帯電話事業で激しい競争を繰り広げるソフトバンクは東京電力と組む戦略を選んだ。auでんきと同様に電力と携帯電話やインターネットサービスをセット割引価格で販売する。電力の調達を東京電力に任せることができるため、販売面に注力できる利点がある。その代わりに東京電力の料金プランに依存する点で制約も生まれる。

 携帯電話の大手3社の中では、NTTドコモだけが電力市場に参入する意向を明らかにしていない。NTTグループには発電事業者を含めてエネルギー分野の事業を展開する会社が数多くあり、グループの総合力を発揮すれば電力の小売でも競争力は十分に大きい。NTTドコモは遅くても3月までに料金プランを固めて電力の販売に乗り出す見通しだ。

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