ソニーが照明事業に参入、“ソニーらしい明かり”を模索した3年間:LED照明(2/2 ページ)
ソニーは照明市場に参入することを発表した。照明の展示会「ライティングジャパン」において、2016年春の発売を目標に開発する「マルチファンクションライト」を披露した。
人感センサーやマイク、スピーカーなども搭載
マルチファンクションユニットには人感センサーを内蔵しており、人の存在を検知して部屋に人が入室するとテレビ・照明を自動でONしたり、部屋に人がいないときには自動でOFFしたりするなどのコントロールを行うことも可能だ。消し忘れや省エネルギーにも役立つ。
さらに、スマートフォンに保存している音楽コンテンツをユニットに搭載するスピーカーで再生することや、会話(インターフォン)機能で別の部屋からスマートフォンを使用して通話なども行える。「スマートフォンを経由して子ども部屋の子どもたちを呼び出すというような使い方もできる」と尾花氏は述べている。
スマートフォンのアプリを経由しユニットに伝言メッセージを録音しておくと、不在中に家族が帰宅した際に入室を検知し、自動でメッセージを再生する伝言(ボイスメッセージ)機能なども備える。この他、不在時の防犯や留守番をする家族の様子を見守る機能も搭載した。
マルチファンクションライトの専用のライト部分は東芝ライテックとの技術提携により開発した。外形寸法は660ミリ(直径)×95ミリ(高さ)で、電材卸業者や住宅会社などを通じて供給する計画だ。従来ソニーではこれらの電材・住設系の販路は持っていなかったが「現在、開拓中だ」(尾花氏)としている。
「3年間、ソニーらしい明かりとは何かを模索した」
ソニーが照明事業への参入を目指し照明器具の開発に乗り出したのは約3年前だという。「L-Gadget事業室」を設立し、「ソニーらしい照明器具とは何か」を追求してきたという。
尾花氏は「ソニーが一般的なLED照明を出しても意味がない。ソニーらしい照明とは何かを模索し続けて、何とか形にすることができた。生活を便利にしたり、コミュニケーションを円滑にしたりするなど、照明器具の新しい付加価値を提案する」と語る。今後は2016年春の販売後、市場の反応を見ながら将来的にはカメラの搭載やホームネットワーク規格への対応などのさらなる付加価値向上に取り組む方針を示している(図4)。
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