小型パワコン185台を分散配置、起伏のある土地を生かすメガソーラー:太陽光
デルタ電子が兵庫県に建設したメガソーラー「赤穂エナジーパーク」は、小型のパワコン185台を分散設置している。小型パワコンだから実現できる分散システムのメリットを生かし、日本のように起伏の多い地形に対応しつつ、効率の良い発電設備を建設した。
デルタ電子が兵庫県赤穂市で建設を進めてきたメガソーラー「デルタ電子 赤穂エナジーパーク」がこのほど完成した(図1)。
同発電所は総面積約9万6000平方メートルの敷地に最大出力約4.6MW(メガワット)の太陽電池モジュールを設置。年間発電量は一般家庭1100世帯分に相当する約490万kWh(キロワット時)を見込んでおり、発電した電力は固定買取価格制度を活用して全量を売電する。
太陽電池モジュールは台湾のNeo Solar Power社の結晶系モジュールを1万7256枚を採用した。系統連系・電力変換をになうパワーコンディショナー(パワコン)は同社の小型パワコン「RPI-M20A」(20kW)を175台、「RPI-M50A」(50kW)を10台使用する(図2)。
小型パワコンを用いた分散型システムでは、従来の大型パワコンを用いたシステムで必要とされる建屋や収納設備を設ける必要がない。また、発電した電力を分散して変換することで、高い効率とパワコンの故障時の発電ロスの低減、およびメンテナンス性の向上が実現できる。さらに地形によってモジュール設置角度が異なる場所などでもシステム設計が容易となる。
デルタ電子の代表取締役である柯進興氏は「かねてより提案してきた分散型太陽光発電システムは起伏にとんだ日本の地形で、自然の環境を生かしつつも高い発電効率を実現できる最適なソリューションと考えている。当社はこの事業を皮切りに分散型システムの導入を通してさらなる再生可能エネルギーの普及と地球環境保全、省エネルギー社会の促進に貢献していく」と述べた。
デルタ電子は台湾の大手電源ユニットメーカー台達電子(Delta、台湾)の日本現地法人として1991年に設立された。日本国内ではパワコンの他、各種電源ユニットの販売や、エネルギー関連ソリューションを提供している。
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