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植物由来のバイオ燃料で飛行機が飛ぶ、オスロからアムステルダムまで:省エネ機器(2/2 ページ)
KLMオランダ航空は、2016年春にオスロからアムステルダムの間をバイオジェット燃料を採用した航空機で運航することを発表した。
バイオ燃料で通常の給油システムをそのまま使用
ITAKAプロジェクトは、既存の技術やインフラを改善するために、経済的、社会的、環境的に持続可能な方法で、航空バイオ燃料の開発をサポートすることを目的としている。同プロジェクトによりKLMでは2014年にアムステルダムからカリブ海のボネール島にバイオジェット燃料を利用した飛行を行った。今回はこの取り組みをさらに発展させ、ノルウェーのオスロとアムステルダム間で運行を行うという。機材にはエンブラエル社のE-190sを使用するとしている(図3)。
さらに、同プロジェクトではバイオ燃料を通常の給油システムを使用し、一部は通常の給油車による給油を行う計画だという。エンブラエルの機体において、軽油とバイオ燃料の効率性を比較するテストも行う(図4)。KLMでは以前にもボーイングやエアバスの機体を使って同様のテストを行ったとしている。
CO2を20%削減へ
KLMでは2020年までに2011年比でCO2排出量を20%削減することを目標にさまざまな取り組みを進めてきている。バイオ燃料の使用を推進するとともに、効率性を高めてCO2削減を推し進めていく考えだ。
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