激戦区の関西電力エリアに、生協が低価格・低CO2で挑む:電気料金の新プラン検証シリーズ(14)(2/3 ページ)
大阪府の南部で50万人の組合員を抱える生協が関西電力に対抗する料金プランを打ち出した。毎月の使用量が標準の300kWhの場合に4%安くなり、使用量が多いと割引率が10%以上のプランもある。大阪ガスや携帯電話会社のセット割引とも競争しながら、CO2排出量の少ない電力を販売していく。
ソフトバンクやKDDIとも競合
もう1つの対抗策は使用量に関係なく単価を一律に設定した「バリュープラン」だ。月間の使用量が440kWh以上の家庭ではベーシックプランよりも割安になる。1kWhあたりの単価が26円で、大阪ガスの単価と比べると2段目の単価(26.08円、120〜200kWhに適用)をわずかに下回る水準だ。
バリュープランでは月間の使用量が450kWhに達すると、関西電力の従量電灯Aと比べて割引率が5.8%になる(図4)。使用量が600kWhでは年間に2万円以上も安くなって、割引率は10%を超える。大阪ガスのセット割引+2年契約を加えた割引率を上回る。
関西電力にも使用量が多い家庭や商店・事務所を対象にした「従量電灯B」というプランがある。月間の使用量が800kWhを超えると従量電灯Aよりも割安になる。いずみ市民生協のバリュープランと単価を比較すると、基本料金は使用電力の最大値(契約電力)で増えていくため従量電灯Bのほうが高くなる(図5)。
月間の使用量で決まる電力量料金は300kWhを超えるとバリュープランのほうが2円以上安くなる。関西電力が従量電灯Bを推奨する800kWhで計算しても、電力量料金の月額はバリュープランのほうが276円割安だ。800kWhを超えると差額が広がっていくため、従量電灯Bの優位性はない。
関西電力の管内ではソフトバンクが東京電力と提携して割安な料金プランを出している。使用量が多い家庭を対象にした「プレミアムプラン」では、月間700kWhの使用量で関西電力の従量電灯Aよりも4420円安くなる(図6)。さらに携帯電話やインターネットとセット割引がある。
いずみ市民生協のバリュープランと比べても、使用量が700kWhで電力量料金は2420円も安い。ただし基本料金は関西電力の従量電灯Bと同様に契約電力で決まる。使用量が多い家庭では契約電力が6kW以上になるケースが多い。6kWの場合でも基本料金だけで2333円になる。電力量料金と合わせた金額では、いずみ市民生協のバリュープランとさほど変わらない。
携帯電話会社ではKDDIが関西電力と組んで「auでんき」を販売する。電力量料金の単価は従量電灯Aと比べて2円前後安く、いずみ市民生協のベーシックプランとほぼ同等の水準だ。携帯電話とセットで契約すれば、毎月の電気料金が8000円以上の場合に5%の割引を適用する(図7)。auの携帯電話を使っている家庭では他社の料金プランよりも安くなる。
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