コンビニが電気を売る時代に、300kWh超で東電より9%安いローソンの戦略:電気料金の新プラン検証シリーズ(15)(2/2 ページ)
コンビニ各社の中で最初に小売電力市場への参入を発表したローソン。三菱商事と共同設立したMCリテールエナジーを通して、2016年4月から東京電力管内で電力販売を開始する。料金プランは1種類のみという「分かりやすさ」と、ポイント還元によるお得感で一般消費者にアピールしていく狙いだ。
電力調達は三菱商事が担当
まちエネとして実際に電力を販売するのは、三菱商事とローソンが共同設立した小売事業者のMCリテールエナジーだ。販売する電力の調達については、電力事業に関してノウハウを持つ三菱商事が担う。関連会社のダイヤモンドパワーを中心に電力調達を行う見通しだ。
ダイヤモンドパワーは三菱商事が2000年に日本初の新電力(特定規模電気事業者)として設立。東京電力、中部電力の両エリアで特別高圧・高圧向けに電力販売を行ってきた実績がある。2013年に中部電力が三菱商事から株式の80%を取得して子会社化したが、残りの20%は現在も三菱商事が保有している。
このように今回のまちエネの提供については、三菱商事とMCリテールエナジーが調達・販売を担い、関東圏内に4000店舗を持ち、知名度もあるローソンが一般消費者との接点になるという事業スキームとなっている。
申し込みはWebもしくは書面のみ
切り替えの申し込みはまちエネのWebサイト上で2016年2月1日から開始しているが、同年2月下旬より書面での受付も開始する予定だ。なお、ローソンの店頭での申し込みは行えないので注意が必要だ。
2016年2月1日〜4月30日まで先行受付キャンペーンも実施し、この間に申し込んだユーザーはPontaポイント300ポイントがもらえるとともに、税込324円の契約手数料が無料になる。ローソン店頭に設置したチラシの特典コードの入力でさらに200ポイント獲得できる。
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