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ワイヤレス給電可能な電動バスが公道へ、まめな充電で航続距離をカバー:電気自動車(2/2 ページ)
環境負荷が低く普及が期待される電気自動車。航続距離やコスト面でまだまだ課題が残るが、早稲田大学と東芝がこうした課題を解決するかもしれない電動バスを開発した。バッテリーを小型化してコストを抑え、その分懸念される航続距離をワイヤレス給電装置の利便性で補うというユニークなコンセプトになっている。
東芝が新開発した磁界共鳴型ワイヤレス充電装置を搭載
バッテリー容量を抑え、走行距離の短さは充電頻度でカバーするというコンセプトのWEB-3 Advanced。しかし一般的な電気自動車のように、バスターミナルに戻ってくるたびに充電ケーブルを差し込むというのは煩わしい。そこで活躍するのがワイヤレス給電装置だ。東芝が今回の共同研究事業において新規開発した「磁界共鳴型ワイヤレス充電装置」を搭載している(図2)。
バッテリーを小型化してワイヤレス給電装置を組み合わせるというコンセプトによって空車重量と車両初期コストの削減、車室空間の確保を実現した。ワイヤレス給電は運転席に設置したボタンを操作するだけで行えるという。
既に開始している公道での実証走行では、普及のポイントとなる充電作業の利便性とともに、CO2削減効果や乗車環境の改善効果などについても検証していく。今回のWEB-3 Advancedの開発および公道での実証走行は、環境省が実施する「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」に早稲田大学と東芝が採択され行っているもので、実証期間は2014〜2016年度まで。これに伴い公道での実証走行期間も2016年度末までとなる予定だ。
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