集配作業を電気自動車でCO2フリーに、燃料効率を30%改善へ:電気自動車
国際総合航空貨物輸送会社のフェデックス エクスプレス(東京都千代田区)は、このほど日産自動車の100%電気自動車「e-NV200」を日本国内で初めて集配車両に採用。新砂営業所(江東区)に2台導入した。CO2を排出しない電気自動車を活用し、同社の掲げる環境貢献目標の達成を目指す。
今回の日産の電気自動車の導入は、フェデックスが掲げる「フェデックス・アーススマート計画(FedEx EarthSmart)」の目標達成に向けた取り組みの1つとなる(図1)。同社は配送車両について、2020年までに2005年比で燃料効率を30%改善するという目標を掲げており、これに向け「Reduce(削減)」「Replace(置き換え)」「Revolutionize(変革)」の3つのアプローチを実施している。
具体的にはReduceとしては配送ルートの見直しと、運転技術の向上(エコドライブ教育)による走行距離の短縮および使用する燃料の削減を進める。Replaceとしての取り組みはより燃料効率の高い車両の導入。Revolutionizeとしては代替燃料、ハイブリッドおよび電気自動車など、エネルギー分野の先進技術の活用を進めてきた。これらの活動の結果、累積改善率は2014年時点で既に29.5%となっており、目標をほぼ達成しつつあるため、達成後はこの目標を再検討する予定だ。
フェデックスは2014年時点で既に、世界中でハイブリッド車397台、電気自動車404台、天然ガス燃料車132台、水素燃料車40台を採用。日本では2016年2月時点でハイブリッド車7台、天然ガス燃料車9台を利用している。今回の電気自動車導入は、環境課題に対する同社の長期的な施策の一環として導入したものだ。
同社の北太平洋地区担当副社長である氏家正道氏は「先に開催されたCOP21で、190ヵ国以上の条約締約国が参加し、化石燃料に依存しない社会を目指すための新たな国際枠組みとして、パリ協定が採択されたように、世界の環境や地球温暖化対策への意識はますます高まっている。フェデックスも世界で事業を展開する企業として、今回の電気自動車導入のような環境に配慮する取り組みを通して、環境問題に真摯に向き合っていく」と意欲を示している。
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