薄膜太陽電池を10万枚設置、3880世帯分の電力を発電するメガソーラー:太陽光
ソーラーフロンティア、日本政策投資銀行(DBJ)と太陽石油の3社は、共同で大規模太陽光発電プロジェクトに取り組むことに関し基本合意し、合弁会社「SDTソーラーパワー株式会社」を設立。10万枚の薄膜太陽電池を利用する大規模なメガソーラーの建設を行う計画だ。
SDTソーラーパワーは、山口県宇部市および山陽小野田市の敷地面積約18万平方メートルの太陽石油保有地に、出力約16.5MW(メガワット)規模の太陽光発電設備を建設する計画だ。建設は2016年7月に着工予定で、2017年中の運転開始を目指す(図1)。太陽電池モジュールにはソーラーフロンティア製のCIS薄膜太陽電池パネル約10万枚を採用する。
年間発電量は約2000万kWh(キロワット時)を見込む。これは一般家庭約3880世帯の年間電力消費量に相当し、CO2排出量に換算すると年間約1万500トンの削減効果を見込めるという。
ソーラーフロンティアが生産・販売するCIS薄膜太陽電池は銅、インジウム、セレンを使用して、独自技術で生産する太陽電池であり、経済効率が高いことなどが特徴だ。また、発電所の運転開始後は、同社の専門チームが保守・管理を行い、付加価値サービスも提供していく計画だという。
DBJは地域経済の活性化や企業の競争力強化に資する成長資金の供給を集中的に実施するための取り組みとして、2015年に措置された「特定投資業務」を活用し、このプロジェクトに対し出資を行う。さらに、市場活性化ファイナンスとして、金融機関を招へいし、プロジェクトファイナンスによる資金調達の支援を行う。
太陽石油は石油精製・販売などを行う石油元売り会社。現在推進中の「中期経営計画」の中で、新規事業の開拓を経営戦略の1つとして取り組んでおり、同プロジェクトに対しては、自社が保有する土地を賃貸するとともに、プロジェクトの運営に参画し、新たに太陽光発電事業に取り組む。
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