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お風呂の残り湯でも発電するマグネシウム電池、スマホ30台をフル充電:スマートエネルギーWeek 2016(2/2 ページ)
藤倉ゴム工業は「第7回 国際二次電池展」でマグネシウム空気電池「WattSatt」を展示した。水を用意するだけで発電可能で、スマートフォンを30台充電できるという。2016年夏に発売する予定だ。
水と付属の塩を混ぜて注ぐだけ
WattSattの使い方は以下の通り。まず外側の白いカバーを外す(図2)。これはひっくりかえすと給水トレイとして機能し、まずここに付属している塩を入れる。次に用意した2リットルの水を注ぎ、付属のかくはん棒でよく混ぜる(図3)。最後に完成した塩水を本体に注いでいく。なお、使用する水はお風呂の残り湯などでも代用可能だ。
塩水を注いだ後は、数十秒ほど待つ。5つのUBSインタフェースの横についているLEDランプが点灯すると使用可能だ(図4)。
藤倉ゴム工業は2011年の東日本大震災により、福島県南相馬市に所有する複数の生産工場などが大きな被害を受けた経験を持つ。こうした災害時の経験が今回のWattSattの開発につながっているという。
WattSattは2016年夏ごろの発売を予定しているが、価格などについては現時点で未定だ。「主に自治体や病院などを中心に販売していく計画だが、一般家庭向けの販売も検討していきたい」(ブース担当者)
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