転換を図るシャープ、ZEHを軸に直流エアコンや停電対応冷蔵庫を提案:スマートエネルギーWeek 2016(2/2 ページ)
シャープは、太陽光発電関連の展示会「PV EXPO 2016」に出展し、ZEH向けなどを中心にエネルギーソリューション提案を行った。2015年12月に発売したDCハイブリッドエアコンに加え、“蓄電池連携家電”として停電対応機能付き冷蔵庫を2016年夏ごろに発売する考えを示した。
「非常時対応冷蔵庫」は2016年夏に発売予定
ホームエネルギーソリューションとしては、2015年12月に発売した「DCハイブリッドエアコン」(関連記事)など既に展開中の製品が中心だが、今後発売する製品として注目を集めたのが、蓄電池連携「非常時対応冷蔵庫」である(図3)。
蓄電池連携「非常時対応冷蔵庫」は、蓄電池と連携し、停電時でも蓄電池の電気を活用して運転できる非常時対応機能を備えた冷蔵庫である。非常時にはボタン1つの切り替えで「非常時モード」とでき、保存状態の厳しい冷凍庫のみに機能を絞って運転することが可能。停電時に使用できる時間を大幅に伸ばすことができるとしている。発売については「詳細については決まっていないが、2016年夏ごろをめどに販売を開始したい」とシャープ エネルギーソリューションカンパニー 経理管理統轄部 事業戦略推進部 戦略企画チーム チームリーダーの高橋健一氏は述べている。
同社では、この冷蔵庫を「蓄電池連携家電」の第2弾製品と位置付けており、第1弾のDCハイブリッドエアコンなどと組み合わせて提案を強化していく方針だ。また、今後第3弾以降につながる製品群なども用意していくとしている。ちなみにDCハイブリッドエアコンは、蓄電池から直流電流をそのまま受け取れるが、蓄電池連携「非常時対応冷蔵庫」については通常の交流電流を使用する形となる。
期待集めるZEH
これらの提案先として特に期待しているのがZEHであるという。ZEHに関しては、政府の方針で「2020年までに標準的な新築住宅でZEHを実現」と「2030年までに新築住宅の平均でZEHを実現」という目標が掲げられている。これらを実現するためには、建築方法なども当然だが、家庭内の家電製品についても、省エネ性能・創エネ性能・畜エネ性能などに優れた製品が必要になる。
高橋氏は「ZEB(ネットゼロエネルギービル)やZEHの動きはエネルギー関連製品にとっては大きな動きになる。シャープは『家』に強い製品群をそろえており、ZEHの動きに合わせて、提案を強化していく。大手ハウスメーカーなどへの提案などと同時に、工務店などとの関係性なども強くしていく」と述べている(図4)。
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