カラテの新極真会が電力市場に参入、地域振興を目指す「九州スポーツ電力」:電力供給サービス
2016年4月からはじまる電力の小売全面自由化を目前に、これまで電力事業とは接点がなかった多くの企業が電力市場への参入を進めている。NPO法人の全世界空手道連盟新極真会 福岡支部は、3社と協力して九州地域のスポーツ振興を目的とした「九州スポーツ電力」を設立した。
全世界空手道連盟新極真会 福岡支部(福岡県福岡市、以下、新極真会)、リーフラス(東京都中央区)、日本ライフサポート株式会社(福岡県北九州市)、スマートテック(茨城県水戸市)の4社は、共同出資により2016年1月15日付で九州スポーツ電力を設立したと発表した(図1)。
九州地方のスポーツ振興を目的に、九州エリアの家庭を含む低圧需要家、事業所などの高圧需要家に向け、2016年4月から地域に根ざした電力小売事業を展開していく。
今回の設立背景には、新極真会と教育事業やヘルスケア事業を行うリーフラスの、地域に根ざした安全な電力の販売を通じて、九州地方における空手やサッカーをはじめとするスポーツを、さらに普及・促進させたいという構想があったという。そこで同地方を中心に再生可能エネルギー事業を展開する日本ライフサポート、茨城県水戸市で「水戸電力」を設立した総合エネルギー事業者のスマートテックと協力し、同社の設立に至った。水戸電力はスマートテックとサッカーJ2リーグに所属する水戸ホーリーホックが共同出資して設立した電力会社だ(関連記事)。
九州スポーツ電力は、「九州地方の皆さまにエネルギーでよりそい、スポーツで世界へ」を事業テーマに掲げ、事業収益の一部を同地方のスポーツ振興事業に還元する。電力販売の部分では、HEMSを活用して高齢者の見守りサービスや、電子クーポンの提供など、電力とともに地域活性化につながる付加価値サービスを提供していく。
なお、九州スポーツ電力の株主である4者は今後さらなる共同出資者を募り、事業運営を進めていく計画だ。同社の2016年度の電力販売による売上高は、役5億円を見込むとしている。
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