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原油100億リットル分の省エネを可能に、NEDOが描く技術ロードマップ:省エネ機器(2/2 ページ)
政府は2030年までに温室効果ガスを2013年比26%削減する目標を掲げている。これを達成するための省エネルギー化には、規制やガイドラインの策定に加え、技術革新も必須だ。国立研究開発法人であるNEDOは「技術開発で2030年に原油1000万キロリットル分の省エネに貢献」を目標に、次世代省エネ技術の開発を促進する。
技術で1000万klの省エネを実現
1980年に設立されたNEDOだが、現在進めている省エネルギー技術開発計画は第3期に相当するものだ。これは2012年に発表した「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」で、2012〜2021年度までの10カ年計画として進められている。
古川市はこの第3期計画について、「2030年の削減目標を達成するために、政府では省エネ改修費やエコカー導入促進に向けた補助金施策といった『支援』、そしてベンチマーク制度や省エネ基準への適合義務化といった『規制』を進めていく。しかしNEDOとしては、新しい技術開発という側面から省エネ目標の達成に貢献していく。第3期計画の中で進める技術開発成果によって、2030年に1000万kl相当のエネルギー削減を実現したい」と述べる。
その具体的な注力領域としては、2011年に策定された「省エネルギー技術戦略」における14の重要技術がベースとなる(図2)。
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