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「蓄電池連携家電」を強化するシャープ、ZEH提案を中心に:蓄電・発電機器(2/2 ページ)
シャープはZEHを軸とした家庭向けのエネルギー関連ソリューションを強化。「蓄電池連携家電」シリーズなどに加えて、新たにコンパクトで設置が簡単なクラウド蓄電池の新製品を投入し、蓄電池導入のハードルを下げる方針だ。
コンパクトタイプと大容量タイプの蓄電池システム
新製品は、クラウドHEMSと組み合わせることで、電気の使用状況や天候に応じて最適なエネルギーマネジメントができるクラウド蓄電池システムで、コンパクトな4.2kWh(キロワット時)タイプ「JH-WB1621」と、大容量の8.4kWhタイプ「JH-WB1622」の2機種を2016年6月1日から順次発売する(図3)。
「JH-WB1621」は、従来機から体積比約34%の小型化を図り、業界最小クラスのコンパクトサイズを実現。横幅を50センチメートルに抑え、スペースが限られた住宅にも設置しやすくしたことが特徴だ。「JH-WB1622」は、横幅70センチメートルのコンパクトなボディながら8.4kWhと大容量化。従来機では、大容量化を図るためには蓄電池が2台必要だったが、同機を利用することで1台設置が可能となるという。加えて、従来機比約1.5倍の長寿命設計により、約1万2000回(従来機は約8000回)の充放電を繰り返しても初期の約70%の容量を維持できる。リチウムイオン蓄電池セルには、リン酸鉄リチウムイオンを採用し、動作温度は0〜40度としている。
これらの機能向上により、設置のハードルを下げることで、住宅用蓄電池市場全体の活性化にも取り組んでいく方針である(図4)。
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