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太陽電池廃棄物のリサイクル、ガイドラインが公開へ:法制度・規制(4/4 ページ)
環境省は、固定価格買取制度などの後押しもあり設置が増え続ける太陽電池に対し、リサイクルに向けたガイドラインの第1版を策定した。今後増加が見込まれる太陽電池関連廃棄物の処理を円滑に行えるようにする狙いだ。
運搬の方法
運搬の方法についても指針がある。「リユースやリサイクルなどの目的に応じて運搬方法が変わる場合があるため、収集運搬業者は関係会社と運搬方法について相談することが望まれる」とガイドラインでは示している。また、産業廃棄物を収集、運搬する際には、廃棄物処理法施行令により、その運搬車の両側面に次のような表示を行い、書類を携行することが義務付けられている(図6)。運搬作業においても、感電の防止のため遮光用シートで覆うことや絶縁手袋・ゴム長靴などの着用を推奨している。
リサイクルの流れ
太陽光発電設備のリサイクルについては、解体プロセスと選別プロセスに分かれる(図7)。
排出事業者は、産業廃棄物の処理に当たっては委託する処理事業者に必要な情報を提供しなければならない。また使用済み太陽電池モジュールは鉛などの有害物質を含むことがあるため、適切に処分する必要がある。必要情報の提供については環境省から「廃棄物情報の提供に関するガイドラインが公表されている(図8)。
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