2020年度までZEH普及を90%へ、ミサワホームがロードマップを策定:省エネ機器
ミサワホームは2020年度に、新築戸建住宅において90%以上をZEHとすることを目指すロードマップを策定した。
国際的な地球温暖化対策への機運の高まりにより温室効果ガスの排出削減への取り組みが求められている。日本では2015年に開催されたCOP21(国際気候変動枠組条約第21回締約国会議)において、2030年の温室効果ガスの排出量を2013年比で26%削減する目標を示している。これに伴い政府では、それぞれの分野に合わせた温室効果ガスの削減要請を行っており、この動きを促進・支援するような政策を進めている。
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)への取り組みもその一環である。ZEHとは、年間の一次エネルギー消費量がネットでゼロとなる住宅を指す。簡単に言い換えると、年間の電気の消費量に対し、太陽光発電などで同等以上の発電を行い、電力の足し引きがゼロになる住宅のことである。経済産業省 資源エネルギー庁では2015年12月にZEHのロードマップをまとめており(関連記事)、具体的な施策としてハウスメーカーや工務店の内、自社で受注した住宅の中でZEH(Neary ZEHを含む)が占める割合を2020年度までに50%以上とする目標を掲げている。2016年4月からはこの目標に合わせて進捗状況を公開するハウスメーカーや工務店などを「ZEHビルダー」として登録する制度を開始した。ZEHビルダーとしての登録は「平成28年度ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業」の補助金の交付要件となっている。
ミサワホームでは「2020年までに標準的な新築住宅でZEHの実現を目指す」という目標に対し2017年度までに前倒しして実現するという目標を定めて、さまざまな取り組みを進めてきた。今回はさらにこの目標を進め、2020年度までのZEHの普及目標を年度ごとに定めたロードマップを策定した。
同ロードマップでは2016年度のZEH普及目標は20%だが、2017年度に50%、2020年度には90%へと引き上げる方針だ(図1)。
ZEHへの取り組みはハウスメーカーの中で加速しており、パナホームが2018年度までに戸建て住宅の全商品をZEH化する方針を発表したばかりである(関連記事)。
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