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送電線の復旧工事が阿蘇地区で進む、鉄塔・鉄柱16基を建てて24日中に完了へ:電力供給サービス(2/2 ページ)
熊本県内で現在も送電線が使えない状態になっている阿蘇・高森地区の復旧工事が急ピッチで進んでいる。既設の鉄塔や鉄柱の周辺で大規模な地滑りや地割れが発生して危険な状態にあるため、別の場所に仮の鉄塔・鉄柱を建てて新たなルートで送電する。24日(日)のうちに復旧できる見通しだ。
600人以上が昼夜交代で作業
送電線の復旧工事が必要な場所は2つの地区に分かれている。南阿蘇村の「立野(たての)地区」と阿蘇市の「的石(まといし)地区」である(図3)。立野地区は崩落した「阿蘇大橋」が通っていた場所で、今回の地震で最も大きな被害を受けた地域の1つだ。
立野地区には仮鉄塔2基と仮鉄柱7基を建てて、2.7キロメートルの送電線を新設する。的石地区でも仮鉄柱7基で2キロメートルの送電線を新設する。すでに19日(火)から基礎工事と組立工事が始まっていて(図4)、順調に進めば23日(土)までに完了する予定だ。この間に最大で600人以上の要員が昼夜交代制で作業にあたる。
計画では23日(土)から架線工事に入り、24日(日)のうちに新設の送電線を使って送電を開始できる見込みだ(図5)。ただし天候の悪化や余震の発生などによって遅延する可能性がある。立野地区では21日(木)に降雨の影響で作業を中断した。二次災害が発生しないことを祈りたい。
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