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世界の電力消費量が2040年まで年率1.9%増加、再生可能エネルギーは2.9%成長電力供給サービス(3/3 ページ)

米国政府のエネルギー情報局が世界の将来動向を予測した。電力の消費量は発展途上国を中心に年率1.9%のペースで増えていく。ただし省エネルギーが進んでGDPの成長率よりは低くなる。電源別では再生可能エネルギーの伸びが最も大きく、天然ガスの火力と原子力も2%台の成長を続ける。

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太陽光の成長率が年8.3%で最も高い

 再生可能エネルギーの成長率は2040年まで年率2.9%と低めだが、水力を除くと5.7%の高い伸び率になる。その中でも太陽光による発電量が年率8.3%で拡大する(図4)。特に発展途上国では15.7%の高い成長率が見込まれている。2040年には全世界で9600億kWhの電力が太陽光から生み出される。それでも発電量全体の2.6%に過ぎない。


図4 再生可能エネルギーの発電量。下から順に、水力、風力、太陽光、地熱、その他(主にバイオマスと廃棄物)。単位:1兆キロワット時。出典:米国エネルギー情報局

 2040年の時点でも水力による発電量が15.3%を占めて、再生可能エネルギーの中では最大だ。引き続き発展途上国で拡大する余地が大きく残っている。次いで風力の発電量が6.7%、バイオマスや廃棄物などが3.4%で、地熱は1.1%にとどまる。

 EIAは成長率が大きい太陽光発電の導入量を国別に予測している。2020年に全世界の太陽光発電設備の規模は367ギガワット(=100万キロワット)になり、そのうちの27%に相当する100ギガワットが中国だ(図5)。2012年には3.3ギガワットしかなく、8年間で30倍に拡大する。


図5 太陽光発電の導入量。下から順に、ドイツ、イタリア、日本、スペイン、フランス、中国、その他の国。単位:ギガワット(=100万キロワット)。出典:米国エネルギー情報局

 第2位はドイツの55ギガワットで、日本は第3位の38ギガワットまで増える。日本国内で固定価格買取制度の認定を受けた太陽光発電設備の規模は2015年末の時点で79ギガワット(7935万キロワット)に達している。そのうちの約半分が稼働する想定だ。2015年末までに運転を開始した太陽光発電設備は30ギガワット(3013万キロワット)にのぼることから、2020年にEIAが予測した38ギガワットを上回る可能性は大いにある。

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