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年間1億5000万kWhの木質バイオマス発電でガス会社が発電事業に新規参入:電力供給サービス
中部ガスは、新たに発電事業を行う連結子会社「サーラeパワー」を設立し、発電事業に参入することを発表した。新たに木質バイオマス発電所を建設し、2019年から発電を開始する。
エネルギー事業を展開するサーラグループである中部瓦斯(以下、中部ガス)とガステックサービスは2016年5月11日、新たに発電事業に参入することを発表した。サーラグループで発電事業は初となる。
サーラグループは豊橋瓦斯と浜松瓦斯をもともとの母体とし100年以上の歴史を持つ企業グループである。エネルギーを中心に現在は住宅関連サービスなどを展開する。今回はこの中で都市ガスを提供する中部ガスとLPガスなどを中心に住宅サービスなどを展開するガステックサービスが共同で新会社「サーラeパワー」を設立。木質バイオマス発電所を建設することを決めた。
木質バイオマス発電所は、豊橋市の臨海部に建設予定で、2016年内に着工。2019年4月から発電を開始する予定としている。発電規模は2万2100kW(キロワット)で、年間発電量は一般家庭約4万世帯相当の1億5000万kWh(キロワット時)を計画する。主燃料はパーム椰子殻などの輸入材、東三河や遠州地域の未利用材を活用する予定。総事業費は約100億円で、発電した電力は固定買取制度(FIT)を利用して売電する。
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