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電気の埋蔵金「需給調整技術」、導入のカギは“レジ係”にありエネルギー市場最前線(5/5 ページ)

京セラが取り組む「自動デマンドレスポンス」への取り組みが着実な成果を残している。ネガワット取引実現などの実証事業に参加。特に食品スーパーをベースとした試験で大きな成果を出している。しかし、その裏には地道な取り組みがあった。京セラ 東京事務所 研究開発本部 ソフトウェアラボ システム研究部責任者の草野吉雅氏に話を聞いた。

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デマンドレスポンスの真価はエネルギーミックスの自由度

スマートジャパン デマンドレスポンスを広げることでどういう価値を生み出すことができると思いますか。

草野氏 京セラがデマンドレスポンスに取り組む本当の理由は再生可能エネルギーの普及拡大にある。例えば、デマンドレスポンス実証で取り組んだような食品スーパー1店舗当たりで10kWの削減可能容量を生むことができたとすると100店舗のチェーンだとするとチェーン当たりで1MW(メガワット)の容量を生み出すことができる。

 再生可能エネルギーは変動幅が大きく、送配電網に与える影響が大きい。そのため日本では各地で接続制限が行われているわけだが、デマンドレスポンスの普及が進めば、電力ネットワーク安定化のための予備電源を、新たな発電設備の建設や大規模投資が必要なく実現できる。デマンドレスポンスの価値はそこにこそある。

 京セラが対象とする食品スーパーだけを考えても日本全国に2万店舗ある。デマンドレスポンス技術が本格的に普及すれば、商業施設だけを対象としても莫大な予備電源を確保できるようになり、再生可能エネルギーの利用率を広げることが可能になる。

 今後は、さらに現場の声を吸い上げるとともに、1〜2年程度で京セラ全体の業績にインパクトを与えられる規模へ売上高を拡大していきたい。

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