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鴻海がシャープのエネルギー事業再建を明言、最初の一手は住宅向け:蓄電・発電機器(3/3 ページ)
鴻海グループによる買収が決まったシャープ。今後の各事業の動きに注目が集まるが、鴻海グループはシャープのエネルギーソリューション事業を「再建する」と正式に宣言した。シャープは同時に住宅向け太陽光パネルの新製品を発表。業界トップクラスをうたうモジュール効率19.6%の製品だ。再建に向けた第一歩として、住宅向け太陽光市場の開拓を目指す。
鴻海が力強く再建を宣言
シャープは、先日台湾の鴻海科技集団(以下、鴻海)の傘下に入り経営再建を進めることが正式に決まったばかり。鴻海のもとで今後各事業がどのように動くのかに注目が集まっている。特に太陽光パネルなどを手掛けるエネルギーソリューション事業は業績が下降傾向にあり、事業売却や縮小の可能性を指摘する報道も続いていた。
しかし、新製品を発表した同日に、鴻海の郭台銘 総裁、 戴正呉 副総裁の連名で、シャープのエネルギーソリューション事業の今後に関する声明が発表された(図5)。事業売却や縮小は行わず、再建による事業拡大を目指す方針だという。
「大切なお客様と取引先の皆様へ」と題した声明では、鴻海はシャープのエネルギーソリューション事業に対して「完全にコミットしている」と明記。さらに「シャプーブランドの継続、維持、強化」や「どこよりも行き届いたアフターサービスと革新的な太陽光とエネルギー関連機器をお届けし、お客様・お取引先の信用を取り戻し、エネルギーソリューション事業を拡大していく」としている。
太陽光発電事業については、「鴻海の持つ生産技術と全てのリソースを注ぎこみ、シャープの太陽光発電事業の競争力強化に邁(まい)進する」と述べている。
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