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電力小売全面自由化の草刈り場は近畿か、6割以上が切り替えを検討:電力供給サービス(2/2 ページ)
調査会社の日本リサーチセンターは2016年4月に開始された電力小売全面自由化に対し、消費者の意識調査を行った。結果によると、20〜30代は1万円以下の割引でも変更したいが6割以上だが、60代以上では「どれだけ安くなっても変更しない」が4分の1以上と、世代間格差が大きいことが分かった。
いくら安くなれば変更するか
電力会社を変更していない回答者数に対する「電気代が年間でいくら以上安くなれば、電気の購入先を変えてもよいか」との質問については、全体的に「5000〜1万円安くなれば検討する」とした層が多かった。特に「検討しているがまだ決めかねている」と「これから検討したい」とする層では、1万円以下の低価格化で64%が切り替えの決め手となるとしており、割引となる価格を明示することが切り替え促進につながることをあらためて示している。
高齢者層は「どんなに安くても変更しない」が4分の1以上
価格と切り替え意欲について、年代別にソートした結果を見ると「どれだけ安くなっても変更しない」は60代が24%、70代が31%と高い結果となった。一方、20代や30代では1万円以下の価格低下でも60%以上が切り替えを行うとするなど、世代別に大きな傾向の違いが生まれている。
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