世界初、新型プリウスPHVは太陽光パネルを搭載:太陽光
トヨタ自動車は2016年秋に販売開始予定の新型「プリウスPHV」を同年6月に東京ビッグサイトで開催される「スマートコミュニティJapan 2016」で日本初公開する。日本・欧州仕様の装備として、ルーフ部分にソーラー充電システムを搭載するという。
トヨタ自動車(以下、トヨタ)は2016年5月30日、同年秋に販売予定の新型「プリウスPHV」を「スマートコミュニティJapan 2016」(2016年6月15日〜17日、東京ビッグサイト)で日本初公開すると発表した。
プリウスPHVは2016年3月に開催された「ニューヨーク国際オートショー」で初披露した「プリウス プライム」の日本仕様車。大きな特徴が日本・欧州仕様車のみに採用される「ソーラー充電システム」の搭載だ(図1)。トヨタによればこれは世界初の機能になるという。
ソーラー充電システムは、車両のルーフに搭載した太陽光パネル(ソーラールーフ)により太陽光発電し、その電力を駆動用バッテリーおよび12V(ボルト)バッテリー系統へ供給することができる。駐車中は駆動用バッテリーを充電し、走行中は駆動用バッテリーの消費を抑えることで、EV走行距離や燃費の向上に貢献する。充電スタンドがない駐車場や災害等で停電した場合でも、太陽光があれば駆動用バッテリーの充電が可能になる。
さらに日本仕様のみの装備としてCHAdeMO規格に対応した急速充電機能なども備える。約20分で80%程度まで充電を行えるようにした。新型プリウスPHVの日本仕様車のJC08モード走行時におけるハイブリッド燃費は37km/lで、EV走行換算距離は60kmだ。
「スマートコミュニティJapan 2016」のトヨタブースでは、この他にPHVシステムによる燃費・環境性能などを紹介する他、燃料電池車「MIRAI」のカットモデルの展示や燃料電池が発電する仕組みを学べる体験教室を開催するなど、水素関連のテーマも紹介する(図2)。
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