ストリングス抵抗値から故障パネルをすぐ特定、中部電気保安協会が導入:太陽光
検査装置開発などを手掛けるアイテスは、同社のソーラーパネル点検装置「ソラテス」が中部電気保安協会に採用されたと発表した。故障したパネルを短時間で1枚単位で特定できるのが特徴の製品で、同社では2016年度に1000台以上の販売を見込んでいるという。
検査装置開発事業を展開するアイテス(滋賀県野洲市)はソーラーパネル点検装置「ソラメンテ」シリーズが、中部電気保安協会(名古屋市)の営業所48カ所に採用されたと発表した(図1)。接続箱から簡単に一次検査が行えるストリングチェッカー「ソラメンテ-Z」とソーラーパネル表面をスキャンして点検するソーラーパネルチェッカー「ソラメンテ-iS」を納入する。
アイテスは、1993年に日本IBM野洲工場の品質技術部門から分離独立した解析・分析メーカー。太陽電池パネルメーカーや公的研究機関との共同研究を通じて、メガソーラーの太陽光発電所で、故障パネルを短時間で 1枚単位まで特定できる点検装置「ソラメンテ」を開発した。
太陽光発電所の故障パネル診断は従来、IV測定器やサーモカメラを使うことが主流だった。しかし、日照を発電に利用する太陽光発電所の点検は、天候変化による発電出力の揺らぎなどの影響で、ソーラーパネルの故障を現場で区別・判断することが電気の専門家でも難しいとされていた。
ソラメンテは、直列に接続されている複数枚の太陽光パネルのストリングのインピーダンス(抵抗値)を測定することで、その中から故障パネルを短時間で特定することを可能にした(図2)。この技術を搭載したソラメンテシリーズは、ソーラー関連施工会社や保守メンテナンス会社の点検需要に応える製品として、これまで800台以上の導入実績がある。中部電気保安協会は2015年から試験導入を実施しており、現場で同装置の性能が認められたことが今回の採用につながったという。
同社では2016年度のソラメンテシリーズの販売数を1000台以上の販売を見込んでおり、メガソーラー発電所を新エネ事業として数多く運用している大手商社や金融各社などを中心に対して提案を進めていくとしている。
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