LED照明で攻め続けるアイリスオーヤマ、直販営業強化で3年で売上高2.5倍:エネルギー市場最前線(3/3 ページ)
節電意識の広がりから市場を大きく拡大したLED照明だが、主力の直管型LEDの置き換え需要が一段落し、曲がり角に立ちつつある。撤退企業が増加する中で、攻勢をかけ続けているのがアイリスオーヤマである。LED事業本部 取締役本部長 石田敬氏に話を聞いた。
米国でも直販体制を確立へ
スマートジャパン このほど米国・アリゾナ州に拠点を設けられましたが、グローバル展開について教えてください。
石田氏 米国のグループ会社(IRIS USA,Inc、ウィスコンシン州)のアリゾナ工場(アリゾナ州)が5月に完成した(図3)。新工場はアメリカ国内市場で拡大するネット通販の需要に対応することを目的にプラスチック収納用品とペット用品の製造拠点となる。それとともに、LED照明などハウスウェア部門の物流センターとして、北米地域の本拠地としての役割機能を担う。
照明事業では、米国でこれまではグループ会社から地元の電材店やディーラー向けに商品を供給していたが、今後は直販を開始する。当初は日本の企業向けに提供していくが、リース販売なども含めて、国内と同じ形で営業展開する。営業スタッフもスタート時点で新たに4人のスタッフを置き、従来のスタッフと併せて6人を配置する。今後も半年に1〜2人程度のペースで増員する予定だ。米国では次には省エネ意識が高いカリフォルニア州などにも国内と同じように拠点を置き、エリア展開を進めたい。
北米だけでなく、これからは現在オランダを拠点に展開している欧州などでも拠点を新たに設けて、グローバル市場でもダイレクトセールスを中心とした戦略を立てている。順調に進めば売り上げの海外構成比は2020年には3〜4割程度に拡大する可能性もある。
2016年度は400億円へ
スマートジャパン 2016年度の売り上げ見込みは。
石田氏 当初は350億円を目標としていたが、これにロームグループ(ロームのライティング部門と子会社のアレグレッド)の売り上げが加わるので400億円という数字が見えてきている。
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