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太陽光発電は終わらない、JPEAが示す3つの成長エンジン:太陽光(3/3 ページ)
太陽光発電協会は、太陽光発電市場の現状と今後についての考えを示した。苦戦が目立つ国内太陽光発電設備市場だが、同協会では「3つの成長エンジンで安定的に成長する」という見通しだ。
パリ協定における「脱炭素社会」の実現
3つ目がパリ協定(COP21)における地球温暖化対策への取り組み強化の動きである(関連記事)。パリ協定では、2030年度に温室効果ガスの排出を2013年度比で26%削減する他、2050年までに80%の温室効果ガスの排出削減を目指す目標を掲げている。
亀田氏は「温室効果ガスを80%削減するということはもはや、『低炭素社会』ではなく『脱炭素社会』を目指さなければならないということを示している。こうした動きに各国が取り組む舵を切ったということでパリ協定の意義は大きかった。脱炭素化を進める上で、太陽光発電は大きく貢献できるはずだ」と述べている。
今後の太陽光発電市場
太陽光発電協会では、2030年までに太陽光発電設備の導入が100GWになるというビジョンを示している(図5)。
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