リコーが太陽光O&Mを全国展開、オフィス事業の強みを生かす:太陽光
リコージャパンは「スマートコミュニティJapan 2016」に出展し、2年ほど前から展開している太陽光発電のO&Mサービスを紹介した。オフィス向けサービス事業を活用した全国400カ所以上の拠点を強みに、順調にサービスを拡大しているという。
リコージャパンは「スマートコミュニティJapan 2016」(2016年6月15〜17日、東京ビッグサイト)に出展し、新規事業として取り組むエネルギー関連ソリューションを展示。その中で同社が展開している太陽光発電設備の運用保守(O&M)サービスを紹介した。2年ほど前から展開している新規事業だが、現在130カ所、合計約100MWの太陽光発電所のO&Mを手掛けており、順調に規模を拡大しているという。
同社のO&Mサービスでは、パワーコンディショナー(PSC)に設置した監視装置を通じた異常時のアラート通知、ストリングス監視による発電量のモニタリング、定期レポートの作成といった基本的なサービスに加え、パネル清掃や発電所内の除草作業、代行訪問などのオプションも用意する。監視サービスは24時間365日対応する。
こうしたO&Mサービスは他事業者も展開しているが、リコージャパンの強みとするのが「駆けつけ対応」サービスだ。太陽光発電所は全国に数カ所ある監視センターで集中的に遠隔監視を行っている。その中で発電量の不具合などを検知すると、すぐにリコージャパンのカスタマーエンジニアを派遣し現場の確認を行える体制を整えている。現場に派遣されたエンジニアは目視などで障害の原因を探り、簡単な復旧作業で済むものであればその場で対応する。機器の交換や修理、工事などが必要な場合はメーカーや販売・施工業者に手配を行う仕組みだ(図1)。
発電所のでトラブルが発生した場合、復旧までの時間が短いほど売電ロスも少なくなる。そのため、こうした障害を検知すると「すぐに現場に人が駆けつける」というサービスの大きな特徴が好評を得ているという。
こうした素早い駆けつけサービスを全国規模で提供できる理由は、同社がこれまでにオフィス向けサービス事業などで培った全国を網羅するサービス拠点の活用にある。他事業で利用していた拠点も活用することで、現在全国400拠点の体制でO&Mサービスを提供しているという。「多くの企業がO&Mサービスを展開しているが、トラブルが発生した場合に対応できる人材を大量に確保できる事業者は少ない。その中ですぐに人が駆けつけてトラブルの初期対応を迅速に行える体制を持っているというのは、われわれの大きな強みだと考えている」(リコージャパン)。
サービスの対象としている太陽光発電所は産業用・野立て発電所。価格の目安は基本的なサービスパックで1MW当たり年間130万円が目安になるとしている。
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