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多結晶シリコンモジュールで新記録、初の出力300W超え:太陽光
ハンファQセルズは大きさは1670×1000ミリメートルの多結晶シリコン型モジュールで、変換効率19.5%、最大出力301Wを達成した。同サイズの多結晶モジュールが最大出力300Wを超えたのは、業界で初の記録になるという。
太陽光パネルメーカーのハンファQセルズは2016年6月21日、ドイツのフラウンホーファー研究機構・ISE研究所(Fraunhofer ISE CalLab)において、試作した多結晶シリコン型モジュールのパネル変換効率19.5%、最大出力301W(ワット)という性能が認定されたと発表した。
開発した試作品の大きさは1670×1000ミリメートル。同サイズの多結晶モジュールが最大出力300W(ワット)を超えたのは、業界初の記録になるという。
開発したモジュールにはハンファQセルズの「Q.ANTUM」という技術を用いた4本バスバーの高効率多結晶セルを使用している。Q.ANTUMとは太陽電池セルの裏面に、機能性ナノ薄膜(誘電体)を形成する同社の独自技術。これによりセルに入射した太陽光を裏面で反射して、再びセル内に向かわせることで光吸収率を高めることができるという(図1)。
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