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水素社会の実現シナリオを再考、水素専焼タービンの実用化を急ぐ:蓄電・発電機器(2/2 ページ)
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2030年以降の水素社会実現に向け、新たに水素専焼タービン燃焼器の先導的な2つの研究開発テーマに着手する。また、水素社会実現までのシナリオ作成のための調査研究体制を刷新し、より精緻化された技術開発シナリオ・戦略の策定を目指す。
水素社会の実現シナリオを再考、より精緻に
「トータルシステム導入シナリオ調査研究」は東京工業大学、産業技術総合研究所、エネルギー総合工学研究所を委託先とする。NEDOはこれまで水素社会実現に向けた基礎的調査研究で、技術情報および内外の政策情報を集約した各種要請を反映し、技術開発シナリオ検討のフレームワークを完成させるとともに、想定される前提条件に基づく一通りのシナリオを作成してきた。今回の追加公募により、これまでの調査研究成果を継続、発展させるとともに、学理に根差した技術的革新性、社会的・組織的な合理性を付与させる。
この研究によって、エネルギーシステム全体における水素エネルギーの位置づけを明確にするとともに、具体的導入形態の例示、開発中の技術の位置づけの明確化、および今後強化すべき技術などにより、シナリオの精緻化を図る狙いだ。
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