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太陽光関連企業の倒産、2016年は過去最多を更新か:太陽光(2/2 ページ)
FIT買い取り価格の引き下げなどにより、国内の太陽光発電の市場環境が厳しさを増す中、関連企業の倒産ペースも増加していることがわかった。東京商工リサーチが発表した太陽光関連事業者の倒産状況調査によると、2016年上半期の倒産件数は前年同期比24%増の31件で、過去最多ペースで推移している。
負債規模は大型化する傾向に
負債額別では1億円以上5億円未満が最多で14件(構成比45.1%)だった。次いで、1000万円以上5000万円未満が7件(同22.5%)、5000万円以上1億円未満が6件(同19.3%)と続いている(図2)。
2016年上半期に発生したすべての企業倒産4273件では、1000万円以上5000万円未満が最も多く構成比で53.6%(2291件)を占めた。太陽光関連事業者の倒産は、設備などへの先行投資もあるため、全業種平均よりも負債規模では大型化しやすい傾向にあるようだ。
倒産原因の第1位は?
倒産の原因別では「販売不振」が最も多く16件(構成比51.6%)と半数を占めた。次いで「事業上の失敗」が7件(同22.5%)、「運転資金の欠乏」と「既往のシワ寄せ」がそれぞれ2件(同6.4%)と続いた(図3)。
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