地域の間伐材でバイオマス発電、4万4000世帯分の電力に:自然エネルギー
JFEエンジニアリングが三重県の事業所内に建設したバイオマス発電所が本格的に運転を開始した。津市と協定を結び、地域の間伐材なども燃料に活用していく。約4万4000世帯分の使用電力量相当する約1億5800万kWhの年間発電量を見込んでいる。
三重県にあるJFEエンジニアリングの津製作所に出力約20MW(メガワット)バイオマス発電所が完成し、2016年7月から本格的に商業運転を開始した。パームヤシ殻(PKS)や未利用材を燃料とし、年間発電量は約4万4000世帯分の使用電力量相当する約1億5800万kWh(メガワット時)を見込んでいる。
発電所は2014年2月にJFEエンジニアリング、日本政策投資、日本通運、阪和興業、大中物産、岡谷鋼機の共同出資で設立したグリーンエナジー津が発電事業者として運営を行う。事業費は総額約90億円で、グリーンエナジー津を通してプロジェクトファイナンス方式で日本政策投資銀行、百五銀行、三井住友信託銀行から融資を受けた。
地域の未利用材を活用
発電所の建設地である津市は、政府が指定する「バイオマス産業都市」の1つに選ばれている。同市とJFEエンジニアリングはバイオマス資源の有効活用に向け2014年9月に包括連携協定を締結した。今回の発電所はPKSに加え、津市内の未利用の間伐材なども燃料として利用していく。ボイラーには、幅広い種類の燃料を燃焼できる循環流動層方式のボイラーを採用した。
発電事業者のグリーンエナジー津は、発電した電力を再生可能エネルギーの固定価格買取制度を利用して売電する。電力の売却先はJFEエンジニアリングの100%子会社で新電力のアーバンエナジーが中心となる。なお、発電所の運用保守は、20年間にわたってJFEエンジニアリングが担当する。
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