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電力の小売事業を支える顧客管理業務、契約申込から料金計算まで幅広い:電力自由化で勝者になるための条件(5)(2/2 ページ)
電力の小売事業において最も重要な顧客管理について解説する。顧客管理は契約申込から始まって、料金計算、収入管理、WEBを生かした料金シミュレーションなど、対象の業務範囲は多岐にわたる。いかに効率よく業務を実行できるかによって、小売電気事業者の競争力が大きく変わってくる。
需給管理は10年間を見据えた体制が必要
一方の需給管理では、(1)広域機関に計画を提出、(2)日々の需給を管理・監視、(3)電力卸売市場において取引を実行、といった業務が中心となる。電力分野に初めて参入する事業者にとってはハードルが高いものの、事業の核になる業務であり、顧客管理と同様に競争力に大きく影響する。
中長期的に電力の小売事業を継続する場合には、需給管理の業務も自社で対応するのが理想的である。10年間にわたる中長期の計画を広域機関(電力広域的運営推進機関)に提出するとともに、日々の計画を提出しながら、翌日・当日の需給計画の策定と監視を実行しなくてはならない。供給面では日々の過不足電力量をもとに、卸市場などから電力を調達することも重要な業務となる。
小売電気事業者にとっては、当初の体制づくりや運用のノウハウをどのように取得するのか、といった課題が数多くある。適正な収益を得るために、業務の立ち上げには特に慎重を要する。業務全般を効率よく実行するうえではIT(情報技術)の活用も欠かせない。次回は電力の小売業務に必要な顧客情報管理システム(CIS:Customer Information System)を構築するポイントを解説しよう。
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