秋田県にかほ市に13.16MWのメガソーラー、約2700世帯分の電力を創出:太陽光
日本および北東アジア地域で太陽光発電事業を展開するBCPGジャパンは、秋田県にかほ市大竹地区で、同社では5カ所目となる太陽光発電所「AKITA NIKAHO発電所」を完工し、商業運転を開始した。
ビーシーピージージャパン(BCPGジャパン)が新たに建設した「AKITA NIKAHO発電所」は、大森部落牧野農業協同組合および金浦大竹牧野農業協同組合、三共、他2人の個人所有の26万1520平方メートルの事業用地に建設された、BCPGジャパンが保有するなかでも最大の出力量13.16MW(DC)を持つ太陽光発電所だ。年間発電量は約2700世帯の消費電力に相当する約1426万6000kWh(キロワット時)を想定している(図1)。
施設は大和ハウス工業が設計・施工を担当し、太陽光パネルはTrina Solar社の太陽光発電パネル4万2800枚を東芝三菱電機産業システム社のパワーコンディショナー12台に接続。発電した電力は全量を、固定買取価格制度を活用して東北電力に売電する。発電所の建設に必要な資金は北都銀行、羽後信用金庫、秋田信用金庫、秋田県信用組合から、プロジェクトファイナンスで調達した。
BCPGジャパンはタイの石油関連企業、Bangchak Petroleumの再生可能エネルギーに特化した子会社、BCPG Public Company Limited(タイ)の実質的100%子会社。2010年の会社設立以来、一貫してメガソーラー発電所を中心に再生可能エネルギー発電所の開発・建設・操業に取り組んできた。現在までに九州地域で4カ所合計約13MW(DC)の発電所を建設・操業開始している。
同社栗山根年社長は「AKITA NIKAHO発電所は当社の持つ発電所としては初の東北地域での発電所であり、かつ最大規模のものだ。この発電所の完成により、当社が所有する発電所の最大出力合計は約26MW(DC)となる。今後も日本全国および北東アジア地域で、太陽光発電所だけでなく、あらゆる再生可能エネルギー事業の開発・建設・操業を進め、さらなるクリーンエナジーの導入に貢献していきたい」とコメントしている。
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