ニュース
再生可能エネルギーの買取電力量が過去最大に、4月に前年比44%増える:自然エネルギー(2/2 ページ)
固定価格買取制度の対象になる発電設備から買い取った電力量が2016年4月に過去最高を記録した。前年同月と比べて44%の増加で、1600万世帯分の使用量に相当する。新たに運転を開始した発電設備も109万kWにのぼり、1カ月間で原子力発電所1基分に匹敵する規模の発電設備が誕生した。
関東4県で太陽光の導入量が増える
太陽光発電設備で4月に稼働した105万kWの内訳を都道府県別に見ると、第1位は茨城県で1カ月間に7.8万kWが運転を開始している。茨城県は累計でも164万kWで第1位だ。特に発電能力が2000kW未満の中小規模の設備が増えている。
次いで千葉県が6.9万kWの増加で第2位に、栃木県が6.6万kWの増加で第3位の伸びを示した。さらに群馬県でも3.3万kW増えて、関東4県の太陽光の拡大が目立つ。このうち栃木県では那須烏山市にあるゴルフ場の跡地で2.9万kWの大規模なメガソーラーが運転を開始した(図3)。
関東以外では中部と九州で太陽光の導入量が伸びている。中部では三重県で5.4万kW、愛知県で4.7万kW、静岡県で3.5万kW増えていて、太平洋沿岸地域で導入の動きが活発だ。九州では福岡県で5.7万kW、熊本県でも3.4万kW増加した。
関連記事
- 再生可能エネルギーの電力が前年比1.5倍に、2015年度の買取量は1200万世帯分
固定価格買取制度による再生可能エネルギーの電力が着実に増えている。2015年度の買取量は前年から1.5倍に拡大した。一般家庭の使用量に換算して1200万世帯分の電力に相当する。そのうち約7割は太陽光だが、風力とバイオマスもそれぞれ1割以上の電力を生み出している。 - バイオマス発電で全国1位、太陽光と風力の勢いも衰えず
茨城県の再生可能エネルギーが活発だ。間伐材を利用した木質バイオマス発電や下水の汚泥を発酵させたバイオガス発電が相次いで動き出した。ゴルフ場の跡地には巨大なメガソーラーが生まれ、アウトレットモールでも太陽光発電で電力の供給が始まった。沿岸部の風力発電も増え続けている。 - 小水力発電とメガソーラーが農山村を変える、下水バイオガス発電も活発
農山村を「スマートビレッジ」へ発展させる構想を進める栃木県では、小水力発電の電力を電気自動車に蓄電して農業施設に供給するモデル事業を実施中だ。高原地帯ではゴルフ場の跡地が続々とメガソーラーに生まれ変わり、都市部には下水の汚泥を利用したバイオガス発電が広がっていく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.