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縮小続く太陽電池の国内出荷、日本企業の減少が顕著に:太陽光(2/2 ページ)
JPEAは2016年度第1四半期の国内太陽電池出荷量を発表した。モジュールの総出荷量は前年同期比で21%減少し、136万6432kWとなった。内訳を見ると海外出荷は伸びている一方、国内向けのモジュール出荷量は同26%減と118万4968kWまで減少している。国内メーカーの出荷量も過去数年と比較して10%程度減少している状況だ。
日本企業の出荷量が激減
モジュールの総出荷量136万6432kWのうち、国内企業の出荷量は前年同期比32%減となる79万839kWで、全体の約58%を占めた。こちらも市場全体の傾向と同じく、海外出荷は伸びているものの、国内出荷量が大幅に減少している(図4)。
一方、海外企業の出荷量は57万5593kWで、前年同期比とほぼ同じ出荷量を維持した。国内のモジュール出荷量において、日本企業の占める割合は2015年度第2四半期(7〜9月期)に記録した60%を除き、2014年度第1四半期以来66〜71%で推移してきた。一方、今年度は58%と、過去数年の平均値より10%程度低い結果となっている。
日本企業のモジュール出荷量のうち、国内出荷を用途別で見てみる。まず国内出荷量全体は合計63万5218kWで、前年同期比42%減となった。このうち住宅向けは同36%減の23万4413kW、産業向けも同44%減の40万751kWまで減少した。
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