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トヨタ本社工場の新設棟、水素と再生可能エネルギーでCO2ゼロへ:自然エネルギー(2/2 ページ)
2050年までに工場のCO2排出量をゼロする目標を掲げているトヨタ。これに向けて新たに建設した愛知県の本社工場内のエネルギー管理棟に、純水素燃料電池を導入した。太陽光発電や「プリウス」の使用済みバッテリーなども組み合わせたエネルギーマネジメントシステムを構築し、建物のCO2排出量ゼロを目指す。
目標はCO2排出ゼロ
トヨタはこうした水素と再生可能エネルギー、リサイクルした蓄電池を活用するエネルギーマネジメントシステムの技術開発および実証導入を進めることで、新たに建設したエネルギー管理棟のCO2排出量ゼロを目指す。なお、実証には東芝も参加し、実運用に基づいた建物のエネルギー需要予測技術と、各設備の最適な運用技術の開発を担う。
トヨタは2015年に新しい環境戦略「トヨタ環境チャレンジ2050」を発表した。その戦略の1つとして、2050年までに工場のCO2排出量をゼロにする「工場CO2ゼロチャレンジ」を掲げている(図3)。
このチャレンジは工場における車両の「生産」と、工場そのものや事務所など、関連する建物の「運用」におけるエネルギー消費量とCO2排出量を削減していくという取り組みだ。そして大目標である「2050年にCO2排出量ゼロ」を目指すに当たり、同社が積極的に活用していくのが水素と燃料電池、さらに太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーである。
今回発表したエネルギー管理棟への純水素燃料電池や太陽光発電設備の導入は、こうした長期目標の達成に向けた取り組みの1つとなる。トヨタは今回の実証の成果を、今後他の工場内建物における水素および再生可能エネルギーの活用に生かす方針だ。
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