ニュース
地熱発電でも高効率に、蒸気と熱水を組み合わせて16万kWの電力:自然エネルギー(2/2 ページ)
トルコで建設中の大規模な地熱発電所に、蒸気と熱水を併用できるコンバインドサイクル型の発電設備を導入する計画が進んでいる。発電能力は蒸気で12万kW、蒸気と熱水を利用したバイナリー方式で4万kWになる。東芝と米国メーカーが製造を担当して2017年内に運転を開始する予定だ。
トルコは日本に次いで世界10位の導入量
世界各国の中で地熱資源が豊富にある地域は限られている。再生可能エネルギーの導入を推進する国際的な非営利組織のREN21(Renewable Energy policy Network for the 21st century)の集計によると、2014年末の時点で全世界の地熱発電の導入量は1280万kWだった。このうち約3割を米国が占める(図3)。
次いで導入量が多いのはフィリピン、インドネシアの順で、日本は約50万kWの導入量で第9位である。日本は地熱の資源量では米国とインドネシアに続いて第3位だが、地熱資源の大半が自然公園の中にあるため、規制によって開発が遅れているのが現状だ。一方で途上国を中心に地熱発電所の新規開発が進んでいる。2014年の導入量は1位がアフリカのケニアで約36万kW、2位がトルコで約11万kWだった。
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の予測では、2050年までに全世界の地熱発電の導入量は加速度的に増えていく。2050年には累計で2億kWに拡大して、2010年と比べて約10倍の規模になる見通しだ(図4)。年間の発電量は1兆4000億kWh(キロワット時)にのぼり、日本の電力会社10社の総発電量(約9000億kWh)の1.5倍に匹敵する。
関連記事
- 地熱発電が途上国に広がる、日本はケニアに抜かれて世界で9位
古くて新しい再生可能エネルギーと言えるのが地熱だ。火山地帯で大量に噴出する蒸気を使って発電することができる。最近はケニアを筆頭にアフリカやアジアの途上国で開発が進んでいる。発電規模では地熱の資源量が最大の米国がトップ。日本は資源を十分に生かせず第9位に甘んじている。 - 地熱で280MWの巨大な発電所、東芝などがケニアに建設
日本最大の地熱発電所の規模を2倍以上も上回る設備がアフリカのケニアで運転を開始した。発電能力は280MWにのぼり、ケニア国内の総発電量の2割近くをカバーする。東芝など日本と韓国の民間企業3社が建設した。ケニアでは2030年までに総発電量を10倍に拡大する国家計画を推進中だ。 - 地熱発電トップシェアの東芝、規制の壁厚い日本よりインドネシアに期待
地熱資源量世界3位の日本だが、その豊富な資源量に対する活用率は、非常に低い。地熱発電システムの発電量で世界シェアトップの東芝では、日本市場は規制の壁が厚いため、インドネシアなど海外市場での成長を狙うと述べている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.