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競争激化の関西エリア、「関電ガス」が大阪ガスと全面対決へ:電力供給サービス
2017年4月から始まるガスの小売全面自由化に向けて、大手電力会社の動きが本格化してきた。関西電力はKDDI、岩谷産業など4社とガスの販売面で業務提携を行う。既に小売電力事業で協力する4社とガス販売でも提携し、初年度20万件の顧客獲得を目指す。
2017年4月から自由化されるガス小売市場への参入を表明している関西電力。同社は2016年9月13日、ガス販売について岩谷産業、KDDIなど4社と業務提携すると発表した。販売するガスの名称は「関電ガス」。協業により顧客との接点を広げ、初年度(2017年度)はガス販売で20万件の顧客獲得を目指す方針だ。
関西電力が業務提携を発表したのは、岩谷産業、KDDI、中央電力、ケイ・オプティコムの4社。全て小売電力事業で提携している企業であり、岩谷産業については、既に企業や工場向けのガス販売で提携済みだ。4社は自社顧客に対し、関西電力が販売するガスの提案を行っていく(図1)。
2017年4月以降、ガスコンロやガス給湯器といったガス機器の定期検診などは、ガス小売事業者が担うことになる。関西電力はこうした自社でノウハウを持っていないガスの保安業務については、岩谷産業に加えて関電サービスと業務提携してカバーする。
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