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火星探査の技術を採用、メガソーラー・ローバーは高速で正確太陽光(2/2 ページ)

米TerraSmartは大規模太陽光発電所(メガソーラー)の予定地調査や杭打ち作業に利用できる自律車両を開発。2016年10月には出力42メガワットの建設予定地に投入する。作業員の6倍以上の効率で正確に調査できる第2世代機の計画もある。いずれもNASAの火星探査機(ローバー)の技術を用いたという。

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作業効率が6.5倍に向上

 TerraSmartの狙いは、作業効率と作業の正確さをともに高めることで、メガソーラーの建設コストを引き下げること。

 メガソーラーを建設する場合、事前に土壌埋設物や地盤の堅さなどを入念に調査する必要がある。それも予定地全域にわたってだ。例えば出力40MWのメガソーラーを建設しようとすると、面積は約60万平方メートルに及ぶ。東京ドームの建築面積に換算すると13個弱だ。

 TerraSmartによれば、予定地の調査を行う作業員は通常、1日当たり200カ所の作業を完了できる。今回発表したAPSRはその3倍の能力があり、第2世代機では1300カ所以上へと、6.5倍の効率改善が実現できるという。

 動作精度も高い。通常のGPSとは異なり、GPS衛星が送り出す信号の搬送波(波長約20cm)の位相情報を利用して、より正確に位置を特定できるRTK(Real Time Kinematic)技術*2)を導入した(図4)。

 2017年に運用を開始する第2世代品では、誤差1.3cm以内で位置を特定し、直径5cm、深さ6mの穴を掘削できる。

*2) ディファレンシャルGPSのように地上局を設置しなくても、条件の良い場合は数mm単位で位置を特定できる。


図4 RTK GPS技術を利用するために設けた受信装置の外観 出典:TerraSmart
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