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発電所を選んで応援! 独自の価値を創造し続ける「みんな電力」自然派新電力が開くエネルギーの未来(2)(3/3 ページ)

さまざまなスタイルで事業展開を図る自然派新電力についてリポートする本連載。第2回では再エネ比率の高い電気を供給する自然派新電力の中でも、ユニークなサービス展開で注目を集めている「みんな電力」を紹介する。発電所そのものを選べるプランと、それを可能にしたオンラインシステムは他に例をみない。エネルギーに対するこだわり層への訴求とともに、無関心層の掘り起こしをも可能にする同社ならではの取り組みとは……。

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クラウド型電力小売システムで、ローコスト化を実現

 発電所を選ぶという面倒なシステムでありながら、みんな電力の電気料金は十分に競争力を持つものに抑えられている。これは同社が、Webだけで完結する「完全オンライン電力会社」だからこそ、実現できたことだという。そして、その鍵を握っているのが、独自開発のクラウド型電力小売システム「Enection(エネクション)」だ。

 エネクションは、顧客とのやり取りに関しても、電力の取り扱いに関しても、すべての電力事業オペレーションをWeb上で自動処理することができる。申込・スイッチング連系、顧客情報・契約管理、電源管理・電力買取、需給管理、問合せ対応、請求業務など、多岐にわたる業務がエネクションだけで完結する。これにより少人数でのオペレーションが可能となり、オペレーションコスト=人件費の大幅な削減につながった。

地域で頑張る再エネ発電所を、皆で応援する流れをつくる

 発電所を選ぶという発想と、それを可能にするエネクションというシステム。同社の取り組みは、新電力の可能性を拡げるものだと言って良い。価格だけではない電力自由化の意義を、改めて考える契機ともなっている。同社では、一般家庭への電力販売に先立って企業向けの電力販売を行ってきたが、「顔の見える発電所」の評判に呼応して、企業からの引き合いも大きく増えたということだ。

 大石社長(図3)は次のように述べている。「発電事業を通して地域貢献に取り組んでいる市民発電所など、電気の価値だけでは測れない活動をしているところがたくさんあります。私たちは、そういう頑張っている発電所と手を携え、その人たちに経済的な見返りが生まれるような流れをつくりたいと考えています。そういう流れをつくるために、“発電所を選ぶ”ことのできるシステムを構築しました。そして、まずは多くの人達に選ぶ楽しさを知ってもらえるよう、アイドル発電所などにも取り組んでいるのです」


図3 代表取締役の大石英司氏、世田谷ものづくり学校にある本社前にて 出典:みんな電力

 揺るぎない信念と、柔軟な発想……それこそが、みんな電力の原動力に違いない。再エネこだわり層に訴えつつ、無関心層へのアプローチも視野に入れた「顔の見える発電所」。価格を超えた新たな価値を創造し、独自路線をひた走る、みんな電力から目が離せない。

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