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地熱発電の普及課題に突破口、地下水を使わない世界初のシステムを開発自然エネルギー(2/2 ページ)

日本に豊富な資源量があるものの、課題も多く利用が進まない地熱発電。こうした地熱発電のさまざまな課題を解決できる可能性がある新方式の発電システムを、日本のベンチャー企業と京都大学が開発し、実証に成功した。一般的な地熱発電システムのように地下から温泉水をくみ上げるのではなく、地上から送り込んだ水と地中熱を利用するのが特徴のシステムだ。

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運用コストを大幅に削減

 温泉水を利用する一般的な地熱発電の場合、揚水管の内部などに不溶性成分が析出・沈殿し固形化するため、メンテナンスや交換が必要になる。加えて地下の蒸気や熱水が枯渇しないようにするため、発電に使用した熱水を地下に戻すための還元井の設置も必要だ。だが、温泉水を利用しないJNEC方式であれば、こうしたコストも大幅に削減できるという。

 ジャパン・ニュー・エナジーはこのJNEC方式の地熱発電について、大分県玖珠郡九重町に建設した「水分発電所」で実証を行った(図2)。実証運転を継続している同発電所では、さらなる性能向上へ向けた技術開発を進めるとともに、大規模化も図る計画だ。現在は24kW程度の出力を、2025年をめどに3万kW(キロワット)にまで拡大するとしている。


図2 出典:ジャパン・ニュー・エナジー
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