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人口1万1000人の町を水素タウンに、エネルギーを100%自給自足へ自然エネルギー(2/2 ページ)

農業と林業が盛んな岐阜県の八百津町を、水素タウンのモデル地域として発展させるプロジェクトが始まった。木質バイオマスや太陽光で作った電力からCO2フリーの水素を製造する計画で、2017年度にも水素製造装置を導入する。エネルギーを地産地消しながら観光産業の振興にも生かす。

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移動式の水素ステーションが開設

 八百津プロジェクトが目指す水素タウンは、地域の再生可能エネルギーで作った電力からCO2(二酸化炭素)フリーの水素を製造して、町内の住宅や公共施設・農業施設に効率よく電力と熱を供給する。林業関連の事業者が集まる久田見(くたみ)地区に水素製造装置を導入する予定で、太陽光発電と木質バイオマス発電の電力から水素を製造する計画だ(図4)。


図4 八百津町の再生可能エネルギーによる水素供給イメージ。出典:岐阜県商工労働部

 製造した水素は純水素型の燃料電池を使って地区内に電力と熱を供給する一方、町の中心部に導入する燃料電池にも供給する。地域の再生可能エネルギーで作った電力を地産地消しながら、余剰分を水素に転換・貯蔵して有効に活用する体制だ。この仕組みで地域のエネルギーを100%自給自足できる水素タウンを構築していく。

 八百津町には2016年3月に移動式の水素ステーションが営業を開始している(図5)。プロジェクトにも参画する県内企業の清流パワーエナジーが開設した岐阜県で初めての水素ステーションだ。観光を軸に近隣地域から燃料電池自動車を呼び込んで、水素タウンの発展につなげる。


図5 八百津町を拠点にする移動式の水素ステーション。出典:サンコウグループ
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