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テスラが「発電する屋根」を開発、脱自動車メーカーを図る狙いと展望太陽光(3/3 ページ)

米EVベンチャーのテスラ・モーターズが、屋根と一体化した斬新な太陽光パネルを発表した。遠目には太陽光パネルと分からない意匠が特徴の製品で、2017年夏から米国で生産を開始する。同時に容量を倍増した新型蓄電池も発表した。SolarCityの買収計画、パナソニックとの提携推進など、EVメーカーの枠を越えたテスラの「総合エネルギー企業化」への動きが加速している。今後の同社の戦略の鍵となるのは、SolarCityの買収手続きをいつ完了できるかになりそうだ。

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全ては「SolarCityを買収できるか」にかかっている

 こうしたテスラの戦略の中で、重要なパートナー企業となっているのがパナソニックだ。両社はリチウムイオン電池の生産について既に提携を進めているが、さらに2016年10月18日には、テスラがソーラーシティを通して傘下に置くバッファロー工場での太陽電池セル・モジュールの生産についても協業の検討を開始すると発表した。

 パナソニックは結晶シリコン基板とアモルファスシリコン膜を組み合わせた独自のヘテロ接合型の高効率太陽電池「HIT」シリーズを強みとして持つ。こうした技術がSolar Roofに直接適用されるかは不明だが、パナソニックの技術力とテスラの販売力を組み合わせたシナジーによる市場開拓に向け、着実に提携領域は拡大している。

 ただし、しかしこの太陽電池生産における提携については、テスラによるソーラーシティの買収が完了することが条件となっている。テスラはソーラシティ買収で製品販売におけるコストを最初の1年間で1億5000万ドル削減できると見込んでいる。今後の事業収支や販売ネットワークの強化などにも影響するものであり、テスラとしては早期にこの買収を完了したい考えだ。買収が遅れれば、製品開発や生産計画に影響が出る可能性もある。

 一方、この買収については株主から疑問視する声も挙がっている。今回の新製品の発表は、ソーラーシティの株主に両社のシナジーをアピールし、買収手続きを前進させる狙いもあるだろう。なお、この買収に関する投票を行うソーラーシティの株主総会は、2016年11月17日(現地時間)に予定されている。

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